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まえがき
ちょっぴりエロ……コメディ入りの壊れ葉月?
葉月が葉月ぢゃありませんねぇ(^^;)。
やっぱり、葉月を葉月らしく表現するの、難しい〜。
もともと、無口な人だしねぇ(^^;;)。
口調に、クセあるようでない…・・・と、いうか、普段の言葉使い、
標準語としてすごく綺麗じゃないかな、この人って?
正しい日本語?(笑)
当初、三人称で書いていたんだけど、
なかなか筆が進まなくて、
思い直して、一人称で書き出したら、進む進む(笑)。
葉月も暴走してくれたし(^^;)。
やっぱり、主人公の個性がまだ掴みきれないせいかな。
(主人公、結構個性的だと思うんだけど……自分の分身だしねぇ)
私の中の葉月って、前編でもそうだけど、かなり子供っぽいなぁ(^^;)。
そして、主人公にベタ甘え。
(両親には甘えられない分、主人公に甘えている、という感じで…)
ところで……オフィシャル葉月って、
うちのなんちゃってくんみたいに、きちんと男の子としての
健全な思考、持っているんでしょうか?(笑)
(いや、持っているに違いない……と、思ってコレを書いたワケですが)
素朴な疑問です(^^;)。
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| Intersection of their mind --後編-- それから、だった。 私が、珪くんを避けるようになったのは。 だって……怖かったの。自分が……あんな想いを抱いてしまった、自分自身が。 珪くんに、どんな顔をして会えばいいか分からず、珪くんを避けてしまったの。 月曜日……放課後、多分、一緒に帰ろうとでも言いに来た珪くんを視界に入れながらも、私、慌てて、傍にいた瑞樹さんに声をかけて、喫茶店に行ったの。視界の隅で、珪くんの悲しそうな顔が移って、胸が痛んだ。 火曜日……昼休み、私の教室を覗きに来た珪くん、多分……ううん、絶対私を探していたんだと思うけど、でも、私、素知らぬ顔で教室を出て、なっちんの所に逃げ込んだ。 水曜日……体育の授業時、ちょうど合同だった珪くんのクラス。始まる少し前の時間、グラウンドに出たとき、ちょうど珪くんがいたんだけど……私、慌ててタマちゃんの影に隠れて逃げ通した。 そして、木曜日……お昼休み。廊下で志穂さんに会って、氷室先生の出した強烈な課題について聞いていた所、ちょうど守村くんが通りかかった。 志穂さんでもちょっと困難なその課題だったけど、さすがに守村くん、ちょっと悩みながらもスラスラ応えてくれたわ。でもって、そこに乱入する日比谷くん。どうやら、今のターゲットは守村くんらしく「守村先輩、ジブン、先輩を見習って勉学に励んでるッス! 今日も、超難しい氷室先生の数学の公式、完全攻略しました! ゼヒ、見てやってください!」なんて言いながら詰め寄って来たもんだから、志穂さんなんか呆れてどっか行っちゃった。 私は、あんまり面白いから、困った表情の守村くんと自信満々にむちゃくちゃな解答を見せる日比谷くんのやりとりを、大笑いながら茶化してたんだけど……そしたら……。 「!!」 突然、後ろからかかる聞き覚えのありすぎる声。 私、ぎくっと体を強張らせちゃった。 だって、珪くんの、声。 しかも、かなり……憤っている!? 振り返ったら、すごい早足でこちらに向かってくる珪くんがいた。 私、なんだか怖くて、びくっとしちゃって……身を翻しかけたら……あっさり、珪くんにつかまった。 「ちょっと、来て」 右手首、掴まれた。 「あっ、あの……私……」 掴まれた手首から、珪くんの熱が、伝わってくる。 それは、とっても嬉しくて、恥かしくて……私の心をかき乱す。 胸がきゅっと苦しくなって、珪くんの手をふりほどこうとしたけれど、右手に絡まった珪くんの指は、より力を増しただけだった。 「……」 珪くん、懇願するような眼差しを、した。 でも、私……怖くて、自分自身が……だから、思わず、助けを求める眼差しで守村くんを見ちゃったんだと思う。 守村くんも困惑したような表情をしながらも、なんとなく私が珪くんから逃げたがっているのを悟ってくれたようで、嗜めるように口をきいてくれたんだけど……。 「あの、葉月くん……さん、今数学の課題を僕と一緒にしていたんですよ。もう少しで解答が導き出せるので、それまで待っていてくれませんか?」 でも、葉月くんは嗜められるどころじゃなく、ますます強く私の手首を握った。 「……今、話が、あるんだ。! 行こう!」 そして、珪くん、私の手を握り締め、思いきり引っ張りながら歩き出した。 「どこにいくの!?」 問いかけても、応えてくれない。 それどころか、私の腕を握る力を更に強めて、歩調を速めるばかり。 「痛い! 痛いってば、珪くん!!」 思わず、私、叫んじゃう。 お昼休み中の校内なものだから、私達が廊下を通りすぎるたびに、好奇の視線が集まる。 すごい、力。 いままで、こんな風に乱暴に扱われた事なんてなかったから……どれだけ、今の珪くんが感情を乱しているかが、分かってしまって……ちょっと、怖い。 周りに気を使いすぎるぐらい使ってしまう珪くんが、周りの視線や私の事なんておかまいなしに行動しているのが、また、彼の感情が乱れている事を物語っているかもしれない。 引っ張られた状態で、上履きのまま校舎を出て、人気の薄い校舎裏を過ぎながら向かったのは……体育館裏、そして、もう何年も使われていない教会の、傍。 私に会うまで、学校で居場所を知らなかった珪くんが、休み時間ごとに来ていた、彼の安らぎの場所。そして、私に会ってからも、ふたりで良く来てた、くつろぎの場所。 滅多に人の近寄る事のないそこで、やっと珪くんは私の戒めを解いてくれた。 手首、珪くんの手の形に真っ赤になってて、痛くて、手首庇うようにさすっていると……。 「きゃっ!!?」 私の両側に珪くんの手が伸びて来て……体育館の壁に、押しつけられた。 珪くんに捕らわれる形で。 そうしたら、嫌でも珪くんの顔が真正面に来て……ひどく強張った珪くんの顔が、視界いっぱいに広がった。 綺麗に整った顔が、強張ってる。唇の端が、あからさまにふるえてる。 怒ってる? ウソ……すっごく、怒ってる?? こんな怖い顔、見た事ないよ……。 「あ……っ……」 私、何を言っていいか分からずに、口、開きかけて……でも、結局、息を飲み込んでしまった。 「……おまえ……」 低い声。 声に含まれる憤りがはっきりわかる。 「どうして、俺を避ける……? この前から……」 そんなの……だって……。 私、いたたまれなくて視線を逸らした。 だって……だって、そんなの、理由、言えないもの……。 「こっち、向けよ」 顎、掴まれて、無理に前を向かせられた。 珪くんの目つき、ますます険しくなっている気がする。 こんな風に珪くんが怒ったのなんて……いつか、ビリヤード場の時くらいしか、知らない。 でも、今の珪くんの憤りは、私に向けられたものなんだ。 なんだか、珪くんが珪くんじゃなないみたいで……私、怖くて……。 勝手に、涙がじわじわ溢れて来て、目が潤んで来た。 そしたら、少しだけ珪くんの瞳の力が弛んだけど、でも、私を解放する気は毛頭ないらしく、私の答えを待つように、じっと私を見つめ続ける。 でも、私……怯えてしまったように、体中、唇までもふるふる震えてしまうばかり。 怖かったの、いつもにはない珪くんが……そして、私が避けてた理由を言う事で、珪くんに軽蔑されるのが。 「おまえ……」 珪くん、そんな私の様子見て、眉を寄せた。 「どうして……」 それから、唇を強くかんで、視線を逸らせる。 「……珪、くん……?」 何かを堪えてる様子の珪くんを見て……やっと、私、唇を開けた。 私が名前を呼んだ途端に、珪くんはまた、真っ直ぐに私を見据えた。……まるで、視線だけで私をがんじがらめにするように。 「……どうして、俺は避けるのに、他のヤツとは、あんなに親しそうに話すんだ?」 「え……?」 珪くん……? 「おまえ、俺の事……」 また、言い出しかけて、やめる。 何が言いたいの? 何を、問おうとしたの? 今度は、私が珪くんの言葉の続きを待って、じっと彼を見上げた。 そしたら……。 「……………!?」 急に……キス、された。 びっくりした。 あの……別に、その……普通のキスなら、時々、する事も、あるから……。 で、でも、その、キスは……。 驚いて、あわあわしてる間に、頭を抱きかかえられるように固定された。 逃げられない。 ううん、でも、私、逃げる必要も、ない……驚いたけど、嫌じゃなかったから。 斜めに重なった珪くんの唇、とっても熱い。 私の唇を割って入って来た珪くんの舌が、私を確かめるように、ゆっくり動いて、私を探し、からめとる。 ぎゅっと痛いくらいに強く私を抱きしめて、珪くんは、まるで私を貪りつくそうとしているみたい。 私、そんな珪くんの激しさに、どうしたらいいか、分からなかったけど、でも、応えたくて……ちゃんと、珪くんに応えたくて、私も珪くんにしがみついた。見た目よりもがっちりしている背中に手を回して。 熱い。 彼が触れた部分から、体中の血が沸騰して来てる。 熱くて、熱くて、溶けてしまいそう。 ねぇ、でも……。 「んっ……ふっ……」 イヤ……私、また……。 イヤ、ダメ……そんなの……。 息をつくように、少し離れた珪くんの唇から、私は慌てて逃げた。 「……?」 不思議そうに、問いかけてくる。 「や……私……」 頭に回って、私を捕らえていた珪くんの腕の力が弛んで、私、それを振り払うように体を離した。 「、どうして?」 思わず、反射的に動いてしまったのだけど……珪くんの顔を見て、どきりとした。 ……珪くんの顔、まるで泣き出しそうだった、から……。 私、どうしよう……。 そんなつもりじゃ、ないの。 珪くんを怒らせたり、悲しませるつもりなんて、なかったの。 ただ、彼に軽蔑されるのが、怖くて……だから……。 「っ、ち、違うのっ!」 何が違うのか、自分でも分からなかったけれど、いい訳は思わず飛び出していた。 「珪くんがイヤなんじゃなくて、私、ちょっと……その……」 やっぱり、珪くんを今まで避けていた理由が言えなくて、しどろもどろになる私に、珪くん、眉を寄せて近寄ってきた。 だめっ! 近寄らないで……!! 珪くんに触れられたら、私、また……っ!!! それで……珪くんの手が、私の頬に触れようとしているのに、ぎくりとして、叫んでしまった。 「ダメ、触らないで!!」 ビクン、と、珪くんの腕が震えて、私に触れようとする手が止まり、ゆっくりと下に下りた。 私、俯いてしまっているけど……珪くんがどんな顔をしているのか、分かった。だって、珪くんの体の両脇に握られた拳が、小刻みに震えてる……。 ……どうしよう! 私、もしかして、取り返しつかない事、してしまったの? 完全に、珪くんに、嫌われちゃったの!? 泣きたくなった。 泣くのを堪えて、その場で立ちすくんでいるのが精一杯だった。 珪くんは……しばらく、私の正面で、私をじっと見ていたんだと思う。 でも、踵を返して、何も言わずに、私の前から……。 慌てて顔を上げて、見る珪くんの後姿。 怒っているの? 振り返りもしないで、一歩一歩その場から去って行く。 去って、行く。 イヤ……嫌だ。 行かないで……。 でも、最初に珪くんを拒んだのは、私……。 胸が痛い。キシキシ、万力で締め上げられているみたい。 こんなにも、好き。大好き。 好きなのに……好きだから……嫌われたくなくて、珪くんを避けてたのに……でも、やっぱり、珪くんに嫌われて……。 「ッ……ッ、ク……」 涙、こぼれた。 嗚咽、喉から溢れてきた。 「ヒッ、ック……ック……」 私、何やってんだろう? 馬鹿みたい。 ううん、きっと、とんでもなく馬鹿なんだわ。 熱い涙が頬を伝い、私、その場から動けずにいた。 いっそ、涙を流しつくて、消えちゃいたいと思ったの。 でも……涙で霞む視界の中に、ふいに見なれた革靴が見えたと思ったら……。 「バカ……」 突然、きゅって、抱きしめられた。 え? 抱きしめられて、耳元で囁かれた。 「俺も、バカだけど……おまえも大概バカだな……」 珪くん、だった。 私の嗚咽聞きつけて、戻ってきた、の? 「おまえの気持ち、ためそうとキスしてみた、けど……あんな、キス返されて、嫌われてるなんて、思えない。でも、他に、俺を避ける理由、見当たらない。……それなら、おまえの事だから、自分だけで、思い悩んでる事、あるんだろう?」 どうして……そんなに、優しいの……。 「おまえ、いつも、物分り良すぎ。たまには、我侭、言ってみろ」 我侭………そう、それは、きっと、私の我侭……。 珪くんの大きな胸が暖かくて、わたしを丸ごと包んでくれてる。 安心感。 でも……。 口を開く。 我侭を言う前に、これだけは聞きたいの、絶対。 「珪、くん……」 「ん?」 一度、息を呑む。 「……珪くん、私のこと……好き?」 思えば、一度も、まともに言われた事、なかったの。 なんとなく恋人未満になったから……お互いの気持ち、わかっているつもりだったから、確認するまでもなかった。ないとおもってた。 でも、もしかして、それが独り善がりだったらんまりまぬけで、なさけないから……。 珪くんの返答までのほんの一時の間、鼓動が高波のように大きく動いた。 「ああ」 即答だった。 ほっと、した。 ほっとしたと思ったら、珪くんの方が溜息をついた。 「今更………俺の気持ちなんて……ずっと前から、決まってるから。おまえの方こそ……」 「わっ、私、は……好き、だよ……」 「聞こえない」 少し、意地悪な口調だったかもしれない。 「え?」 「もう一度、ちゃんと言わなきゃ、聞こえない」 「あ、と……その……好き。珪くんの事、好き……」 私が俯いたまま、顔を真っ赤にして言った途端、珪くん、声もなく、吐息だけで優しく笑った気がした。 「………ああ。それじゃあ、俺は……愛してる。、おまえを愛してる……ずっと」 熱っぽくて、うっとりとした口調に、顔を上げると、とっても優しい笑顔の珪くんがいた。 ドキン、と、する間もなく、また唇が重なった。 今度は、前よりも優しく。 珪くんに触れられると、私、オカシクなるの。 そんな自分が、怖い。 珪くんの触れた部分から熱が広がって、体の奥の芯に炎が点され、溶けて行くの。 そして、思うの。 とっても、恥かしい事。 珪くんに、呆れられて、嫌われても仕方ないような、事。 「……っ………あぁ……」 自然、唇が離れた時に、私、我侭を口にする。 ねぇ、珪くん、嫌わないで。 私を、軽蔑しないで………。 願いながら、口を、開いたの。 「私……私、珪くんに…………抱いて、欲しい……」 こんな事、ずっと前は考えもしなかった。 ただ、珪くんんといられるのが、楽しくて、嬉しくて……。 でも、ふたりでいる時間が多くなって、珪くんが私に触れてくれる事が多くなって、どんどん我侭になっていったのかもしれない。 もっと、触れたい、触れられたい! もっと、近くで珪くんを感じたいの!! 珪くんに点された体の奥の芯は、眠ってた欲望を目覚めさせ、照らし出した。 自覚したのは、きっと、あの時。 自分でも、その淫乱な性が体を駆け巡ったのが、信じられなかった。 抱いて欲しい。 触れたいの。触れられたいの。お互いの全てに。 もっと、ずっと近くで、感じたいの。感じて欲しいの。 珪くんに触れられるたび、そう思っている自分がいた…………ううん、体が、勝手に、反応しちゃうの。 珪くんの熱に反応した体が、熱く、潤んでくる……。 ――言っちゃった。きっと、軽蔑される。淫乱な女の子だって、思われてる……。 顔を上げて、珪くんの呆れきった、あるいは嫌悪を現わした表情を見るのが辛くて、私、目を塞いだまま。 珪くんは何も言わない。 何も言わずに……。 「あっ……やっ!?」 太腿に珪くんの手が触れて、撫ぜ上げながら上昇してきた。 「えっ!? ちょ、と……!?」 抵抗する前に、スカートの下から這い上がって来て、ショーツの上から私にふれる珪くんの指先にびっくりして、私、身動き取れなかった。 「まっ、待って……やっ!!」 「……………おまえ、俺の理性、試しているのか?」 「えっ?」 「俺の方こそ、おまえに嫌われたんじゃないかって、ずっと不安だった。この前も、ついさっきも、俺の情欲をおまえに気付かれて、それで、避けられたんだって、思ったんだ。でも……おまえもそう思っててくれるの知ったら、もう、俺……歯止め、効きそうもないから……」 珪くんの……情欲、って……!? 考える間もなく、珪くんの熱い唇が、ゆっくりと顎から首筋に這って来た。 「今まで、我慢していた……。おまえが言うなら……いいよ、な?」 「だって、ここ、学校!?」 「……構わない。それに、もう、授業始まっているから、人も来ない」 そういえば、ちょっと前、チャイムが聞こえたような……。 首筋を甘噛みしながら、珪くんの手は、制服のスカーフを解いてる。 「人一倍我慢強い方だと思う、俺。でも、何度も俺の部屋に遊びに来るくせ、まったく無防備なおまえに、一体、どれだけ自分を押し止めたかしれない。ずっと、我慢してたんだ……。この前も、さっきも……おまえが身をひかなきゃ、そのまま……」 「やっ……あ、ああ……ウソ……」 珪くんの指が、あ、ダメ………だから、ここ、学校……。 私のおしりの曲線を確かめながら動く指先は、ショーツの布目に添って、そのうち、太腿の間にもぐり込んで、来て……。 「ダメっ! ダメダメダメぇぇ!!」 だめ、やだ、だって、ソコ……。 「………ああ、おまえ、感じてる?」 「んっ、や……」 恥かしくて、顔から火を吹くって、こういう事かもしれない。 顔が火照りきって、涙まで流れてきた。 そう、珪くんにちょっと触れられただけで感じてるの、知られたくなかったから……今まで避けてたのに……!! 「……珪くんの、意地悪っ!」 スカーフを解いて、今度はボタンを外しに掛かろうとする手を制しながら、私は睨み上げるけど……。 珪くん、なんだか……嬉しそう……。頬なんか、らしくもなく、上気させちゃって……。 もう……そんな顔、しないでよ……拒めないじゃない……。 そりゃ、私も、確かに"抱いて欲しい"なんて……結構な事口走っちゃったけど……でも、ここは学校で、私達、一応生徒なわけだし……。 「珪くん、ダメ! ここでは、ダメだから……!」 でも、暖簾に腕押しで、聞きやしない。 「今日、お仕事でしょう!? そんな事、すると……いつもの衣装着られなくしてあげるからっ!」 私にしては、精一杯の牽制……の、つもりだった。 でも、珪くんは平然としたもの。 「構わない。おまえに痕つけられるのなら、いい」 言いながら、手は、私の胸の丸みを、制服の上からなぞってる……。 …………ん、もう……。 あああ……あんなに、悩んでたのが嘘みたい……。 嬉しいけど……嬉しいハズなんだけど……状況が状況なだけに……。 ううっ……もう……! 私、17歳のオトメなのよ? いくら大好きな人相手で、自分自身も欲情しかかっているとはいえ、こんな場所で初めての契りを結ぶなんて、絶対、嫌!!! 素肌の腹部に触れる珪くんの大きくて熱い手。 ここで、観念!?……なんて、できるわけないもんっ! それで、力でかなうわけないのに、あれこれ珪くんと格闘(?)してると、助けが、現れた。 しかも、ふたりがこんな所でこんな事してたなんて口外しない、とぉってもナイスな助け。 「あっ………」 私が珪くんの肩越しに見た、、助けの神は……。 「!」 私、叫んだ。自分の名前? ううん、違う、違う。 「え? おまえ、何言って……?」 私の首筋から顔を上げた珪くん、綺麗な眉を寄せてる。 錯乱して自分の名前口走っているわけじゃないのよ? そうじゃなくて……。 「猫親子っ!」 にゃぁん そう、体育館裏を根城にする猫の親子が、いたの。 「…………こいつら……」 随分大きくなった腕白猫たちが、足元に寄ってきていた。 そう、私の名前を持った、あの子も。 珪くんも、猫達の前でそれ以上コトを進める気はなくした、らしい。 ほっとしたけど……ちょっと、寂しいかな、なんて……我侭、だね、。 授業サボって、結局、体育館裏で、猫たちと日向ぼっこ。 でも、なんだか、いつもよりずっと、幸せなのは……お互いを、前よりもずっと好きだって、思いあえたから。 「日曜日、俺の部屋、来いよ」 微笑んで言う珪くんに、私、顔じゅう真っ赤にして……それでも頷いた。 正直、珪くんに触れられるのが……待ち遠しくも、あったの。 珪くんの整った、繊細な指先……さっきもちょっと触れられただけなのに、そのまま意識が遠のきそうになった。 いつもよりも、ずっと、優しくて熱っぽい珪くんの声に耳元をくすぐられて、力強い腕に抱きしめられて……きっと、私も、彼をいっぱい、いっぱい抱きしめるだろう。 ねぇ、珪くん、そう考えただけでも、私、体が沸騰したみたいに熱くなって、とろとろに溶けてしまうのよ? 日曜日には、ちゃんと責任とってよ、ね? 授業サボリでコレ幸いとばかりに、私の膝枕で眠りについた珪くんの、幸せそうな寝顔に、私、そっと唇を寄せた。 <おわり> |