※この二次創作小説についてとオリジナルキャラ紹介
>>こちら

[鳥貝大学1年の冬]

Conventus【4】


 扉を抜けるとワインクーラーや冷蔵庫、多量の酒類を並べた棚がある倉庫で、そのさらに奥が事務所である。事務所・・・といよりも、事務所兼ロッカールームと云った方が正しいかもしれない。
 事務机がひとつと書類等が入った棚が壁際に並び、あとは来客用の安っぽいソファーとテーブル、それが部屋の1/3を占め、後は間仕切りで仕切られてロッカーがいくつかあるだけだ。
 事務所からは店の裏口へと続く扉がある。
 寝入っている鳥貝をソファの上にそっと下ろし、裏口のカギを厳重に確認する。
 肌寒い室内を思って百合子は自分のロッカーから薄手のハーフコートを取り出すと、鳥貝の上にかけてやり、しばらくじっと鳥貝の寝顔を見守る。
 アルコールで赤く染まりきった顔が、かわいい。
 まだ未成年だからと基本的にアルコールを拒む鳥貝だけれど、百合子や寮の男達に強く勧められれば断らない。
 その結果として分かったのは、あまりお酒には強くないといった事。ビールをコップに1杯、市販の缶チューハイ1本くらいなら平気なのだが、少々度数が高めのものを飲むとすぐに顔を赤くして、疲れている時や体調によっては一気に眠りに落ちる。
「夏目は結構ザルだったんだけどなぁ・・・、」
 思い出して、くすりと笑う。
 最初は兄妹の似ている点を可笑しく思っていたけれど、今は、兄妹での相違点が目について、そういう所こそが愛しい。
「・・・春海、」
 呼びかけると、鳥貝がうっすら目を開けた。まつげの隙間からかすかに瞳が覗く範囲で、百合子の姿を捕らえられているのかどうか分からないけれど、唇がふにゃりと笑みに崩れる。
「・・・り、さ・・・、」
 唇が上手く開かない、声が出ない・・・でも、本人は呼びかけ返したつもりなのだろうか。
 柔らかな表情が春の日だまりのように心地よい。
 鳥貝の腕がぴくりと震え、指先がもどかしそうに動くのを、百合子が捕らえる。
「ここにいるから、」
 手を握って、彼女の頬にキスをすると、「ん・・・、」とかすかな声を残して、彼女は再び目を閉じた。
 静かな部屋に寝息が囁くように響く。
 かわいくて、愛しすぎる。
 なめらかな質感の柔らかな手をそっと下ろして、百合子は後ろ髪引かれるように店内に戻る。
 愛しい彼女との優しい時間は、バイトが終わった後のお楽しみにとっておくのである。
 事務所を出る前、もう一度だけ振り返って、百合子は微笑む。
「おとなしく、待っていてくれよ、」
 眠る鳥貝が答える事はなかったけれど、その穏やかな寝顔だけで十分だった。


 店内に戻ると、オーダーを受けたヒロがカクテルを作りながら微笑んで云う。
「あんた、上手いって?」
「・・・あいつが云ったんですか、」
 百合子は、流しのグラスを洗いながら答える。
「顔を赤くしながらね。・・・トイレでがんばったんでしょ。」
「・・・。キスの事ですよ。あいつが自分からそっちの事は云いませんよ。あれは、そういう所に頑固だから。」
「あらま。じゃあ、前の男との事も・・・、」
「そっちはおれが初めてです。」
「えらく初心な子・・・相手にして、楽しいの?」
「かわいいですよ。素直だから、何でも云う事信じるし、飲み込み早いし・・・すぐ上手くなる。後で怒るけど。・・・意外とエロイし。」
「教えてるのアナタでしょ、」
「身体も結構エロイですよ。最中の表情がまた・・・、」
「はいはい。惚気ストップ。どんだけ惚れてるのさ、」
「彼女の全身全霊に惚れてます。」
「あ、そ、」
 オーダー3品を作り終えたヒロは呆れの溜息をつきながらそれをテーブル席まで運ぶためカウンターを出て行った。
 百合子は腕時計を見る。 
 まだ0時前。
 もう少ししたら、鳥貝を無理にでも起こして、帰らないといけない。帰って・・・それから。
「おれの部屋だから、たっぷり、愛し合えるし、」
 出そうになる鼻歌を必死で抑えながら、百合子は多種多様なクリスタルグラス磨きをつづけた。


 その頃、事務所の裏口のカギが開かれていた。
 この店の鍵を持っているのはヒロとオーナーだけである。
 つまり、今店に入ってきたのは・・・。
 体躯のいい男がのっそりと室内に入り込んできた。
「まったく、マイにも困ったもんだ。あれでも一番人気だから辞められても困るし、まぁ、おれが来るまでもなく、時屋のおかげでご機嫌も直ったようだが・・・、」
 ぶつぶつと独り言をぼやきながら事務所に入ると、勝手知った場所らしく、事務机の上にカギの束と自分の鞄を投げ出すように置いて、ふと、目前で目を止める。
「おや・・・、」
 事務机の前の来客用の簡易なソファセットの上に、眠る人物がいた。
 従業員・・・ではなかった。
 そもそも、この店に女の従業員はいない。
 近寄って上から見下ろしても、見覚えのない顔で・・・他にいくつか経営する店でも見たことはない女・・・というより、少女だった。
 ほぼベースだけのメイクや、寝ているからもあるのだろうが、10代・・・高校生と云っても通じるような少女である。美しいというのとはちょっと違うけれど、全体的に整った面立ちはしていた。目を開ければ、愛らしい顔をしているに違いない。
 染めていない髪、派手ではない清潔な服装は、夜の街を自ら闊歩する若い娘とは違う。
「うちの従業員ではない。と、するとこれは部外者・・・いや、」
 そういえば、その少女の上に掛かっている薄手のハーフコートは・・・。
「ユキのだな。ということは、コレはユキの『差し入れ』か、」
 男はしばらく少女をじっと見る。
 元々の白い肌が赤く染まっている様子は、完全にお酒を飲んでダウンしたのだとうかがい知れる。
「これは、あれかな。地味だけど意外と美味い・・・東京名物『ひよこ』的な銘菓かもしれんな。」
 彼の頭の中では、この存在が『何』であるか、既に理解できていると思われる。
「・・・先に味見くらいはいいかな、最後まで食べなきゃ構わんよな。」
 とぼけた声で独り言を呟く。
 味見をしたことで、その後にどうなるのかさえ、彼の頭の中にでは想定できているのだけれど。
 眠る少女の柔らかい髪をそっとかき上げて、薄ピンクになった耳を見る。今時ピアスさえしていない。
 口元に笑いを含ませて、男は少女の耳朶を唇でそっと挟みこんだ。わずかにその身体が震える。熱い息を吐き出すのと同時に耳の中に舌を這わせると、身じろぎと吐息、小さなうめきが唇から漏れた。
「よく眠っている・・・、」
 ふんわりとしたベージュのカーディガンのボタンを外し、下に着ていた襟の蔦模様の刺繍のあしらいが可愛らしい白いカットソーの上から胸に触れる。上からそっと掴むように。
「それなりに、ある、と・・・、」
 カットソーとその下に着ていたキャミソールを一緒にまくり上げると、素肌だった。
 肌理の細かい白くなめらかな肌をしている。年若い少女らしく、みずみずしく張りがある。実際、そこに手を這わせても摩擦なく滑るように動かせて、心地よい。手触りも適度に弾力があり、堅くなく柔らかすぎずといった所か。
 男は少女の肌を吟味するようにしばらくそこに手を這わせた後に、クリーム色のシンプルなデザインのブラ越しに少しだけ強めに胸を掴んだ。
 少女の身体がぴくりと跳ねる。まだ、起きない。
 ブラを押し上げて、その胸を顕わにしても、少女はまだ眠り続ける。
 両手で、両の胸を軽く揉んで男は頷く。
「・・・若いせいか、まだ堅いな。張りがあっていいんじゃないか。おれは柔らかい方が好みだが。・・・こっちも、小振りでいて、綺麗な色してやがる、」
 云いながら指先で、先ほどの刺激ですでに堅くなっているその部分をきゅっとつまみ上げる。少女の身体が震え、あえぎと共に甘い吐息が漏れた。
 まだ起きる気配はない。
 男は可笑しそうに唇をゆがめてから、今度はそこに唇を近づける。
そこにふっと息を吐き出して、少女の震える身体を感じてから、舌先でそこを弄び始める。巧みな動きをする舌の動きに、少女は甘い吐息を漏らせる。
「・・・っ、ふっ・・・、」
 喉の奥から漏れる声からも少女が感じているのだと分かる。
 舌だけでなく、唇でもそこを集中的に弄ぶのに、少女は体中で感じ始め、しどけなく身体を震わせ、身もだえる。
 感じやすいのだと知れる。
「・・・ユキの仕込みなんだろうな、」
 ひどく楽しげな口調。
 膝丈のチェックのスカートの下には黒いタイツをはいていた。冷え込みが深まる夜の防寒なのだろうが、色気は半減だ、と男は思う。 
 それでも・・・胸を弄びながら、スカートの下に手を潜り込ませて、タイツの上からその部分に触れ、微笑んだ。
 湿り気を帯びていた。
「おやおや・・・、」
 指先をその上で動かせば、濡れているのはすぐにでも分かる。粘り気ある蜜を肉の間に含んで、くちゅくちゅと微かな音を立てる。
「っ、や・・・ん、」
 可愛らしい声が漏れた。
 夢うつつなのかもしれない。瞼は閉ざしたままだが、反応がより顕著になってきた。
 絹のような手触りの良い肌の上に舌を這わせる。ボディーソープの残り香と汗による塩味と、かすかな優しい体臭。
「ん・・・ん、ぁ・・・、」
 それから、甘い声。
「なかなか・・・美味い、」
 ぺろりと舌なめずりをして、少女を見下ろす。
「ユキにしては珍しいモノを選んだと思っていたが・・・拾い物かもしれんな、これは。ふむ・・・、」
 スカートをまくりあげて、タイツをその下のショーツと一緒にずり下ろす。足にはショートブーツを履いたままだから最後まで脱がせる事はしない。
 下腹部から続くその部分に手を滑り込ませ、指先を直に蜜を含んだ肉の狭間に入れ、かき混ぜるように動かせば、粘着質の水音が響いて、同時に少女も身体を震わせて反応する。小さな肉芽を探り当て、指の腹でこね回すと、徐々に少女の声が甘く漏れ出す。
「ん、っ・・・ぁっ・・・ん、ん・・・んんっ、」 
 足がもじもじ動いて、癖なのだろうか、自分の口元を手で押さえる動きをする。声を必死で押し殺そうとしているのか。
 そのしぐさがおかしくて、意地悪く肉芽を摘み上げると、体がびくんとふるえ「ひゃぁ、」とたまらない声が漏れる。
「かわいいな、これは、」
 呟くと、その声に反応したのか、瞼が薄く開かれる。中の瞳は動かず、焦点も結んでいないけれど。
 見知らぬ男にこういう事をされて、少女がどういう反応をするのか楽しみに上から顔を覗き込むが、どうやらまだ覚醒はしていないのか、酔いの状態のままなのか、とても可愛らしくにっこり笑う。
「・・・百合子、さん・・・、」
 かすれた声。
 男の体格や風貌は百合子には似ていない。男が若い頃ならともかく、少なくとも今はまったく違う。
 それを認識できてないらしく、男がその頬を優しく撫でて額の髪をかき上げてやるのに、うっとりした表情をして、自ら男の手に頬を摺り寄せ、甘い笑みを浮かべる。
 いつも、そうやって百合子に甘えているのだろうと知れる。
 男は笑いをかみ殺して、少女の額にキスをしてやった。唇にはしない。それは、男の中ではルール違反になる。・・・味見程度の遊びに、唇へのキスはしない。
 「かわいい」ものにはあまり興味のない男も、少女の純粋な愛らしい笑みには毒気を抜かれた気分になる。
 男は、昔からの百合子を知っている。
 百合子が単なる遊びの付き合いで、こんな相手を選ぶとは思えない。それに、こんなふうにかわいらしく甘えさせている事も、想像がつかない。
 趣味が変わったのか・・・この少女が特別なのか。
「・・・特別、なんだろうな、」
 はっきりと分かったわけではないが、彼女が、百合子がかつて兄と慕っていた存在の妹なのだろうと理解した。
 百合子がどういう風にこの少女に接しているかは知らない。今までそれなりに顔を突き合わせているのに、彼女の事を聞いた事は一切なかったのだ。
 隠されていたのを、少々不快に感じる。
 だから・・・意地悪な気分になる。
「さて、と、」
 少女の脚の膝から下を持ち上げて、身体を二つ折りにするように押さえつける。タイツとショーツが膝の位置にあるから、脚は開かない。少々無理な体勢に、少女がかすかに呻くが、柔軟な身体はその程度の動きを難なく受け入れている。
 そういう体勢となると、当然、彼女の濡れている部分がはっきりと目につくようになり、男は唇をゆがめる。
 指でそこを押し広げ、中から蜜かじんわり流れ出す状態のその部分を検分するように確認し、年相応よりも綺麗かもしれないそこに舌を差し入れた。
「や、っ! んんっ・・・、」
 びくびくと体が震える。
 蜜を掬い上げるように舐め、肉芽に吸い付く。
「ひゃあぁ・・・っ、」
 少女は溜まらず嬌声を上げる。
 意識が朦朧としているであろう彼女の中では、これらの行為はすべて百合子となされているのかもしれない。
「ん、くっ・・・ん、ひっ、あ・・・、ああっ、やぁ、」
 もっとも敏感な部分を舌先で転がし、時々吸い付き・・・少女の声がどんどん切迫していくのが分かる。
「やっ、や・・・ひゃ、ん、んんんっ、んあっ・・・んっ、やあぁ!!」
 そして、簡単に達する。肉芽を取り囲む部分がひくひく震えて見える。溢れ出した蜜が、ぽたぽたとソファの上に滴った。
 拍子抜けするくらいにあっさりとイッてしまった事に、男は喉の奥をふるわせた。
 頂点まで快感が押し上げられるにつれて緊張していった少女の体からは、今は力が抜けている。
 顔を見れば、元々焦点を結んでいなかった、薄っすら開かれた瞼の奥の瞳が完全に惚けてしまっている。
 けれど、まだ、終わらない。
 今度は、人差し指を中に差し入れる。遠慮なく、指が入る部分まで一気に。
「ひゃあ!」
 それだけで、少女の中がきゅっと締まって、男の指を締め付けてくる。達したばかりで敏感になっているのだろう。
「・・・いいな、これ・・・上等、」
 中で指を蠢かせる。少女の内の感触も、ひどく良い。
 指の関節を使って、少女の中をくすぐるように探っていくと、特に顕著に反応する部分もすぐに分かった。そこを刺激してやると、締りが一際よくなって、指をきゅんきゅんと締め上げてくる。
 甘くて高い声も上がる。
「これは、元々のモノか、ユキの育て方なのか・・・、どっちもかな。」
 男は鼻歌でも歌いそうな調子で嬉しそうに呟く。
 一旦指を引き抜くと、今度は2本の指を中に入れれ・・・敏感に反応を返してきた部分を中心にして、激しく出し入れを繰り返す。2本の指が出入りするたびに、他の指が肉芽にも刺激を与える。
「やっ、やっ・・・やぁ、ん、くっ、ん、んんっ、ん!」
 声を抑えきれない少女の悲鳴に近い喘ぎが続いた。
 過ぎる快感に逃げるように体が動くのを、押さえつけ、指の出し入れを続ける。
 快感に喘いでいる少女の声も中々良いけれど、その声をあげている表情も・・・元がかわいらしい顔立ちな事もあり、なかなかに淫靡だった。どうにか声を抑えたいのか、唇を咬んではいるけれど、堪えきれなくなってすぐに唇を開いてしまう。その葛藤しているような表情もまた。
「やっ、もぉ、ダメ、やぁ・・・百合子さっ、ん・・・やぁ・・・、ひゃ、んん、んっ!」
 こんな時も、百合子を呼ぶ。
 男は、それに少しだけ嫉妬のようなものを覚える。
「イケよ、お嬢ちゃん、」
 逃げられないように少女の足を押さえたまま、指の動きを一際激しくする。
 じゅぶじゅぶと激しい水音が繰り返される。
「っ、や、あんっ、や、や、あ、あ、あぁ、あ、あ・・・んっぁぁん!」
 切ないほど引きつれた甘い声が上がり、少女は達した。
 はくはくと必死で呼吸を繰り返し、身体を震わせている。男の指が入っている部分もひくひくと収縮を繰り返している。
「・・・これは、上モノ。・・・欲しい、な・・・、」
 男は彼女の中から指を引き抜いて、そこに絡まる蜜を舐めあげながら、半眼を開いて朦朧とする眼差しを天井に向ける少女を見て、しみじみと呟いた。



つづく